- 2025年09月12日
不動産業務にAIを活用するメリットやデメリット

代表取締役社長 兼 Webコンサルタント
中尾 優作
近年、不動産業界ではAIを活用した業務の効率化が進み、さまざまな分野に大きな変化をもたらしています。今回は、不動産業務におけるAI活用のメリット・デメリットを紹介します。AIを活用して業務効率化を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
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AIを活用する4つのメリット
不動産業務でAIを活用することで、さまざまなメリットを得られます。ここでは、AIがもたらす代表的な4つのメリットを紹介します。
業務の効率化
不動産業務にAIを活用することで、業務の効率化を図れます。
不動産業務には、物件情報や顧客データの管理、契約情報の整理などのデータ処理が含まれます。以前は、管理者の属人化によるミスが生じたり、業務の遅延を招いたりするケースがありました。
しかし、AIを導入することで、担当者が行っていた作業を高精度かつ短時間で実行でき、サービスの質を均一化できます。また、物件情報や顧客情報を一元的に管理することも可能です。データが統合されるため、必要な情報を検索でき、条件に応じてすぐに物件を提案できるようになります。
データ分析によるリスク回避
AIは膨大なデータを迅速に分析することで、将来のリスクを予測します。
たとえば、入居率が安定しにくいエリアや家賃水準が低下している地域をAIが予測することで、精度の高い投資判断が可能です。賃貸管理では、修繕や老朽化、家賃滞納など多様なリスクがあるため、事前の対策が不可欠です。
さらに、過去のトラブル事例や入居者の契約履歴をもとに、将来的に問題が発生する恐れのある入居者を見極めることも可能です。担当者の経験に頼るのではなく、客観的な数値を根拠に判断できるため、問題の発生を防ぎやすくなります。AIの導入によって、論理的で根拠に基づく経営判断を実現できます。
顧客満足度の向上
不動産業務にAIを導入することで、顧客満足度の向上が期待できます。
たとえば、問い合わせ対応やメール返信の一次窓口でAIを活用することで、24時間365日迅速な対応が可能になります。
AIが対応できる定型的な内容であれば、瞬時の解決も可能です。ほかにも、AI査定機能を導入すれば、過去の物件情報や将来の予測や分析をもとに、物件の価格予想を顧客に提供できるため、満足度の向上につながるでしょう。
さらに、AIを活用して業務効率化を実現することで、業務リソースに余裕が生まれ、顧客対応などの業務をより丁寧に行えるようになります。顧客のニーズに合った物件の提案、一人ひとりのライフスタイルに寄り添ったサービスを提供でき、顧客からの信頼獲得や高評価を得やすくなるでしょう。
新たなビジネス機会の創出
AIは新しいサービスの開発にも役立ちます。
たとえば、AIを活用した不動産査定サービスや、物件マッチングシステムなど新しいビジネスモデルの創出が可能です。データ活用による市場分析や予測サービスなど、付加価値の高いサービスへの展開も期待できます。
今後、AIの技術向上次第では、これまでに想像できなかったサービスを開発できるチャンスがあるかもしれません。新しいサービスを開発することで業務の幅が広がり、競合他社との差別化につながります。
▼AIの活用方法や事例を知りたい方は、ぜひ以下のページを参考にして集客に役立ててください。
不動産集客におけるAIの効果的な活用方法
不動産会社のAI活用事例
AIを活用する際の4つのデメリット
AI活用はこれまで紹介したメリットだけではなく、デメリットも存在します。ここでは、AIを活用する際の4つのデメリットを解説します。
データの質に依存する
AIはデータの質が成果を左右します。
AI運用効果を最大化するには、物件情報や顧客データ、契約情報など、活用するデータの質を高めることが重要です。古い情報や誤ったデータが含まれていると、AIの予測や提案が正確ではなくなり、信頼性を損なうリスクがあります。
また、AIは、事実と異なる情報を提示する「ハルシネーション」と呼ばれる事象を引き起こす場合があります。不動産のように法的リスクが絡む業務では、誤情報が大きなトラブルにつながりかねません。
AIを活用する際は、人間が必ず生成結果をチェックする体制を整えましょう。
プログラム外の対応が難しい
AIは学習させたデータやルールに基づいて動作します。
適切な情報を提示することは得意ですが、想定外のケースや感情を伴う対応が求められる場面では、柔軟な対応が難しい場合があります。たとえば、顧客とのヒアリングを通して、細かいニュアンスや背景を加味する判断が求められる際、的確な対応は難しいと言えるでしょう。高額な資金が動く不動産取引は、顧客の安心感を得るために人の判断や対応が求められるケースも多くあります。
AIに依存し過ぎると、人間ならではの対応が減少し、顧客満足度が低下する恐れがあります。導入の際はAIとの役割分担を明確にしておく必要があるでしょう。
導入コストが高い
AIシステムの導入には、初期コストがかかります。
ソフトウェアやハードウェアの購入に加え、自社の業務に合わせてカスタマイズや導入支援の費用が必要です。導入費用は数百万~数千万円規模になるケースもあります。さらに、導入後もメンテナンスやアップデートなど、継続的なコストが発生します。
また、導入効果がすぐに現れない場合もあり、短期間でのコスト回収が難しい点も課題です。業務効率化や意思決定の迅速化などの効果は期待できますが、その実感には時間がかかります。たとえば、データ収集や学習プロセスには一定の期間が必要であり、AIが精度の高い判断を行うにはデータ量の十分な蓄積が欠かせません。
資本力が限られる中小企業は、コスト面が導入の大きな障壁になるでしょう。
AIを扱える人材の不足
AIを有効活用するためには、デジタルに強い人材を確保する必要があります。
不動産業界では、従来のアナログな業務プロセスに慣れたスタッフが多く、AI技術への理解や操作スキルが不足しているケースが少なくありません。
AIツールを効果的に活用するためには、AIシステムの操作方法やデータの読み取り方、適切なプロンプトの作成方法まで幅広い知識とスキルの習得が必要です。
これまでアナログ業務を中心に行ってきた企業は、人材育成やAIなどのデジタル技術に精通した人材の採用が必要でしょう。
まとめ
不動産業界におけるAI活用は、業務効率化と顧客満足度向上に貢献します。既存業務だけではなく、サービスの開発など新事業の立ち上げにも役立つでしょう。しかし、プログラミング外の対応や導入コストなどデメリットも存在します。
重要なことは、メリット・デメリットを理解し、自社のどの課題を解決するためにAIを活用するのかを具体的に決めることです。
AIを有効利用して、自社の業務効率化や売上アップを目指しましょう。
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