不動産投資市場が拡大傾向にある一方で、不動産会社の投資家の獲得競争は激化しています。そのような状況で成果を上げるには、適切なターゲット設定と効果的なオンライン施策の活用が必要です。今回は、不動産会社が直面する課題と、集客を強化する方法を解説します。

不動産投資における集客の課題

不動産投資における集客には、さまざまな課題があります。最初に、集客がうまくいかない理由や背景を解説します。

競合の増加

不動産投資市場はコロナ禍でも好調に推移しており、投資家の物件への取得意欲は上昇しています。価値総合研究所の調査によると、日本における収益不動産の資産規模は約315.1兆円と推測され、前年比+8.9％と成長しています。

市場に参入している企業は大手企業から中小企業までさまざまです。資本力の弱い中小企業にとって、数ある競合他社から自社を選んでもらうのは、今後より難しくなっていくでしょう。

人口減少による需要縮小

総務省の調査によると、日本の人口は1億2319万人で年々減少傾向にあります。これは、死亡者数の数の方が出生児数よりも多い自然増減が要因です。今後も減少が続くと見られています。

人口の減少に伴い、不動産会社を利用する数も減少しています。競合先が増加しているにも関わらず、不動産会社を利用する方は増えていません。その中で、不動産投資の利用者はさらに少なくなります。キャンペーンを実施しても、利用者が増えづらく、集客が難しくなっています。

ターゲットが明確になっていない

条件が良い物件の掲載だけでは、効率的な集客につながりません。特に投資用物件は、特徴によってターゲットが異なります。物件タイプや価格などの仕様面に加えて、ユーザーの年齢層や収入、ライフスタイルを考慮する必要があります。ターゲット像を具体的にイメージし、専門性の高い提案を行うことが重要です。

たとえば、年収1,500万円以上の高所得層をターゲットにする際には、節税対策などの訴求が有効です。一方、20代や30代の若年層では、少額から始められる投資プランや、早期からの資産形成に役立つ情報がリーチしやすいでしょう。

▼不動産集客の難易度が高い理由は今回紹介した以外にもあります。以下の記事も合わせてご覧ください。
不動産集客が難しい理由

不動産投資におけるオンライン集客の方法

ここでは、不動産投資に関するおすすめのオンライン集客方法を紹介します。1つの手法だけではなく、複数の方法を組み合わせて実施すると効果的です。

Webサイトの運用

Webサイトは、自社の魅力や提供価値を伝えるメインメディアです。物件やサービス情報を紹介でき、いつでも情報が発信できます。幅広い層に訴求するためにも、見やすいビジュアルや質が高いコンテンツの提供をすることが重要です。また、スマートフォンからの操作性も考慮し、双方向のコミュニケーションが実現するWebサイトを構築しましょう。

さらに、店舗やスタッフの雰囲気、実績を掲載すると、信頼を獲得しやすくなります。問い合わせフォームや電話番号を設置し、サイトの利便性を高めましょう。

▼地域密着型企業では、エリア特化型のサイト構築も効果的です。以下の記事では、ホームページ運営を成功させるポイントを紹介しています。
不動産集客におけるホームページを成功させるポイント

▼不動産集客に強いホームページ制作会社をお探しの方は、以下の記事もご覧ください。
（19選）不動産集客におすすめのホームページ制作会社

SEO対策の実施

SEOは、Googleなどの検索結果で上位表示を目指す集客方法です。SEO対策は、不動産投資における集客でも有効な手法です。不動産投資の集客でSEO対策に取り組む主なメリットは以下の通りです。

• 狙ったターゲットに訴求しやすい
• 競合と比較されにくい
• 費用対効果が高い

SEO対策では、自社に取り込みたいターゲットに向けて、ピンポイントに訴求することも可能です。特定のターゲットに向けて訴求するには、「キーワード選定」が重要になります。
たとえば、「不動産投資 初心者」「不動産投資 メリット デメリット」などのキーワードは、不動産投資初心者向けに適しており、リード獲得につながりやすい特徴があります。また、「中古ワンルーム 投資」「一棟アパート 投資」などのキーワードは、自社が得意とする投資物件のカテゴリーに直接誘導しやすいキーワードです。自社の強みを活かしたキーワードを設定することで、効率的な集客が可能です。

また、一般的な不動産情報サイトと比べると、他社情報と比較されにくいというのも魅力です。さらに、初期費用・ランニングコストを節約しやすいため、コストを抑えて集客できます。

SEOは検索上位を獲得できると、長期間にわたって自然検索からの流入が見込め、安定した集客基盤を確立できます。Web広告に比べて低価格で実施できる点も特徴です。

▼以下の記事では、不動産集客に有効なSEO対策の実施手順や戦略を紹介しています。どのようにSEOを進めたら良いかわからず悩んでいる方は参考にしてください。
不動産集客でSEOを行う手順
不動産集客でSEOを成功させるための戦略

SNS運用

SNSは、不動産投資の集客において効果的な媒体です。最新情報や魅力的なコンテンツによってユーザーの関心を引きつけられます。

スマートフォンの普及に伴い、SNSを活用して情報収集を行うユーザーも増えてきました。そのため、多くのユーザーの注目を集めるには、継続的なSNS運用が欠かせません。

さらに、SNSは情報の拡散も期待できます。投稿がいいねやリツイート、シェアされることで情報が拡散され、新たな顧客層へのアプローチに貢献するでしょう。

特に、Instagramは、不動産物件のビジュアルを訴求するのに最適です。魅力的な物件画像とともに、周辺情報や内見時のポイントなどの情報を加えると効果的です。#（ハッシュタグ）を活用してターゲットを絞り込めます。

▼SNSは媒体によって特徴が異なります。以下の記事では、活用について詳しく紹介しています。
不動産会社のSNS集客を徹底解説！おすすめ媒体や成功事例をご紹介

▼不動産集客にInstagramがおすすめな理由や活用方法も合わせてご覧ください。
不動産集客ならInstagramがおすすめ
不動産集客に効果的なInstagramの運用方法
不動産会社のインスタ活用方法8選！集客に繋がる運用や注意点とは？

Web広告の運営

Web広告は、即効性の高い集客手法です。
広告を出稿する際は、ユーザーの検討段階や関心度合いによって、広告の種類やターゲティングを使い分けることが重要です。

Web広告にはさまざまな種類がありますが、そのなかでも特に、不動産投資の集客に有効な広告手法を3つ紹介します。

• リスティング広告
• 動画広告
• ディスプレイ・SNS広告

リスティング広告は、不動産投資に関心の高いユーザーを自社サイトに集客するのに有効な手法です。「不動産 投資 節税」「アパート 経営 初心者」などの検索キーワードを設定し、適切な広告文と誘導先ページを用意しましょう。

動画広告は、画像やテキストではなく動画を配信する広告で、情報量を多く伝えられるのが特徴です。「不動産投資の仕組みを30秒で解説」など投資初心者向けに、音声を使うことで、聴覚にアプローチした訴求が行えます。

ディスプレイ・SNS広告は、不動産投資について具体的な検討段階にない潜在顧客にアプローチできます。「知らないと損する！不動産投資の基本を無料で解説」などユーザーが興味を持ってもらえるクリエイティブ作成が効果的です。

また、入札単価の設定や運用の最適化など、適切な運用管理を行うことも大切です。専門的な知識が必要なため、外部の専門家に依頼するのもおすすめです。

▼リスティング広告はキーワード設定が重要です。以下の記事では、リスティング広告を活用した不動産集客について紹介しています。
不動産会社がリスティング広告で集客を最大化させるコツは？運用のポイントを解説

ポータルサイトへの掲載

不動産投資におけるポータルサイトの掲載では、収益性が伝わる設計や立地の説明を重視しましょう。
「利回り〇％」「過去〇名が購入」などの実績を明示して安心感を与えることが大切です。また「資料ダウンロード」「無料個別相談」など自社サイトやLINEへの誘導導線も忘れずに設計しましょう。

また、費用面についても注意してください。ポータルサイトに物件を掲載するためには、一定の費用がかかるため、広告費や予算の管理をしっかりと行う必要があります。

間違った情報を掲載してしまうと、自社の信頼を低下させる恐れがあります。物件情報や連絡先は最新情報を正確に掲載するように心掛けましょう。

▼買主の反響獲得だけではなく、売却反響の獲得も実施しましょう。以下の記事では、不動産集客を成功させるポイントを紹介しています。
不動産集客を成功させるポイント

まとめ

不動産投資の集客は、競合の増加や人口減少により難易度が高まっています。年齢・収入・投資目的などターゲット像を明確に設定した集客が重要です。

Web集客では、自社の強みを打ち出したコンテンツを作成することで、他社との差別化に役立ちます。複数のオンライン施策を組み合わせることで、幅広い投資検討者へのアプローチが可能です。

専門性と信頼性を高め、安定的に反響が獲得できる集客基盤を構築しましょう。

▼また、不動産集客の基礎については、以下の記事にまとめています。こちらもあわせてご覧ください。
不動産集客とは