- 2025年08月12日
不動産集客で広告出稿を行う手順

代表取締役社長 兼 Webコンサルタント
中尾 優作
不動産集客の強化を目指して広告出稿を検討しているものの、手順が分からず戸惑う担当者は少なくありません。今回は、不動産集客における広告出稿の手順を5つのステップで解説します。手順を理解し、目的に合った集客施策を実践しましょう。
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STEP1:目的とターゲット設定
広告出稿を始める前に、広告を出稿して何を達成したいか目的を明確にすることが重要です。不動産業界の広告の目的は、「物件の認知度を上げたい」「資料請求を増やしたい」「内覧予約を獲得したい」などが一般的です。目的によって広告媒体や必要な予算、確認すべき数字が変わるため、事前に理解しておく必要があります。
また、自社の顧客となるターゲット設定も大切です。
ターゲットを決定しないまま広告の出稿を進めてしまうと、効果的な訴求ができなくなります。ターゲットを絞ることで、広告配信の設定基準も決まります。家族構成や年代、ライフスタイルをもとにペルソナを作成し、ターゲットを明確化にしましょう。
STEP2:媒体選定
不動産広告は、媒体によって特徴やターゲット層が異なります。
主要なWeb広告媒体の特徴を以下にまとめました。媒体を選ぶ際の参考にしてください。
媒体名 | 特徴 | ターゲット層 |
---|---|---|
リスティング広告 | ・検索キーワードによって広告を表示 ・不動産物件を探しているユーザーに直接アプローチが可能 | 具体的に物件を探している検討層 |
ディスプレイ広告 | ・サイト上に広告の画像や動画を表示 ・視覚的に物件の魅力を訴求 | リスティング広告ではリーチできない潜在層(ニーズはあるが、自覚していない潜在層) |
Instagram・Facebook広告 | ・画像や動画で視覚的に訴求 ・Facebook広告は他のWEB広告と比較して広告の配信設定が容易 | 若年層〜中年層の潜在顧客層 |
YouTube広告 | ・動画広告として強い訴求力があり、ブランドイメージ訴求や物件紹介に最適 | 映像での理解を重視する若年層~中年層 |
LINE広告 | ・ユーザーの投稿フィードやニュース面などに表示 ・継続的なコミュニケーションにより信頼関係を構築 | 若年層~シニア層 |
Web広告の媒体を選ぶ際には、広告に掲載する物件のターゲット層と広告媒体のユーザー層が一致しているか、広告配信後に無理なく運用ができるかも考慮しておくと良いでしょう。
▼SNS媒体ごとの特徴は、以下のページもご覧ください▼
不動産会社のSNS集客を徹底解説!おすすめ媒体や成功事例をご紹介
STEP3:広告クリエイティブとランディングページ制作
媒体選定後は、広告クリエイティブやランディングページの制作が主な作業です。
広告には、画像やキャッチコピーを活用して物件の魅力を効果的に伝えましょう。
また、特典を組み込むことも効果的です。ただし、不動産広告には、景品表示法や宅建業法に触れる場合がある表現が存在します。代表的な禁止表現をまとめました。
- 完全、絶対、万全などの絶対表現
- 日本一、業界No.1などの順位を示す表現
- 二重価格の表示
- 最高級、特級などの品質を誇張する表現
- 駅徒歩1分などの所要時間の過小表示
一部の表現は根拠を記載できれば利用可能ですが、広告制作時には注意してください。
次に、CVにつながるランディングページの制作です。ファーストビューで物件の魅力や自社の強みを伝え、CVに導くコンテンツ設計が求められます。また、スマートフォンでの表示や、ページ表示速度の改善も重要な要素です。
STEP4:広告アカウントの初期設定
次に、広告アカウントの設定方法について説明します。
代表的なWeb広告として、Google広告やMeta広告の設定項目をまとめました。
Google広告 | Meta広告(Instagram/Facebook) | |
---|---|---|
アカウント開設方法 | Google広告アカウントを作成 | Metaビジネスマネージャーに登録 |
キャンペーンタイプ設定 | 検索広告、ディスプレイ広告、動画広告など | 広告目的(認知度、トラフィック等)を選択 |
課金方式 | CPC(クリック課金)、CPM(表示課金) | CPC、CPMに対応 |
支払方法 | クレジットカード、振込など | クレジットカード、PayPalなど |
初期に必要な設定 | コンバージョン設定、入札戦略選定 | ドメイン認証、Facebookページ連携など |
不動産広告は媒体の審査で非承認となるケースが比較的多く発生します。誤解を招く表現や、所在が不明瞭な表記は審査落ちの対象になります。媒体ごとのポリシーを事前に確認し、審査に通りやすい表現に調整しておくと良いでしょう。
STEP5:運用
広告出稿後は配信結果を定期的に分析し、改善していきましょう。確認すべき指標を決めておくと、目標達成の目安になります。確認すべき指標の具体例は以下の通りです。
指標名 | 特徴 | 活用のポイント |
---|---|---|
インプレッション数 | 広告が表示された回数 | 認知度向上など広告表示が成果になる施策の目安 |
クリック率(CTR) | 広告がクリックされた割合 | 広告クリエイティブや配信ターゲットの判断材料 |
クリック単価(CPC) | 1クリックあたりの広告費 | 広告の費用対効果に活用 |
コンバージョン率(CVR) | 広告経由で資料請求や来店予約などCVにつながった割合 | 広告文やCVまでの導線の見直しに利用 |
獲得単価(CPA) | CVを1件獲得するためにかかった費用 | Web広告の費用対効果の判断材料 |
レポートは媒体ごとに用意されていますが、GoogleスプレッドシートやLooker Studioを活用して、一元管理しておくと運用効率も上がります。
▼リスティング広告の運用ポイントは、以下のページも参考にしてください▼
不動産会社がリスティング広告で集客を最大化させるコツは?運用のポイントを解説
まとめ
不動産集客における広告出稿では、明確な目的設定や媒体選定、出稿後の運用まで必要です。出稿したら終わりではなく、分析や改善を加えることで成果を実感できるでしょう。
最初は少額の予算から始め、定期的な検証と改善を重ねることで、強力な広告手法として成長が期待できます。
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