- 2025年06月02日
不動産集客の手法〜オンライン〜

代表取締役社長 兼 Webコンサルタント
中尾 優作
不動産業界の集客には、さまざまなオンライン手法があり、どれを実施したらよいか悩まれている方も多いでしょう。ここでは、オンライン手法の特徴を紹介します。
オンライン集客の種類
不動産集客におけるオンライン手法は9つあります。費用や主なターゲットは以下の通りです。
オンライン手法名 | 費用 | 即効性 | 継続性 | 主なターゲット |
---|---|---|---|---|
自社ホームページ | 中〜高(制作費・保守費) | △(SEOに時間が必要) | ◎(長期で資産化) | 広範な検索ユーザー |
SEO | 低〜中(自社運用なら低額) | △(中長期施策) | ◎(ストック型) | 不動産知識を求める層 |
SNS運用 | 無料(基本機能) | 〇(バズれば即効性も) | 〇(更新頻度に依存) | 若者〜ファミリー層 |
Googleビジネスプロフィール | 無料(基本機能) | 〇(登録直後から表示) | 〇(口コミ管理が必要) | 地域住民・来店を検討しているユーザー |
不動産ポータルサイト | 中〜高(掲載料が発生) | ◎(ポータル閲覧数多) | △(掲載停止で効果ゼロ) | 住まい探しを主体的に探しているユーザー |
Web広告(リスティング・SNS広告) | 中〜高(クリック課金) | ◎(即日効果あり) | △(出稿停止で効果ゼロ) | 今すぐ客・比較検討層 |
メルマガ・LINE公式アカウント | 低(配信ツール使用料程度) | 〇(定期配信で効果) | 〇(継続配信で効果増) | 既存顧客・内覧者 |
動画コンテンツ (YouTubeなど) | 中(撮影・編集コストあり) | 〇(拡散次第で即効果) | ◎(再生回数が持続) | 遠方のユーザー |
不動産一括査定サイト | 中(掲載費+反響課金) | ◎(見込み層が集まる) | △(掲載停止で効果ゼロ) | 売却希望者 |
次に、それぞれの手法の特徴を詳しく解説します。
自社ホームページ
不動産集客における基本は、自社ホームページの構築です。掲載物件は最新情報に更新し、問い合わせフォームを見やすい場所に配置するなど、コンバージョンを意識した設計が求められます。スマートフォン対応やページ表示速度の改善もユーザーの離脱防止には必要です。
SEO
SEOは、ブログやコラムページの公開などを通して、不動産に関する知識や地域情報を発信し、検索結果画面からの集客を狙う施策です。「住宅ローンの基本」や「物件選びのポイント」など、ユーザーが検索しやすいテーマを選び、定期的に更新すると良いです。専門家としての視点を活かし、信頼感のある情報提供を心掛けましょう。
SNS運用
SNSは、物件の魅力や企業の雰囲気を伝えるために有効なツールです。Instagramは写真で物件の魅力、TikTokは動画でスタッフの人柄や会社の雰囲気を伝えるなど、媒体の特性を活かした投稿が効果的です。フォロワーとのコミュニケーションを通じて、認知度拡大にもつながります。
Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップに情報を掲載できる無料の集客ツールです。住所や営業時間だけではなく、物件の写真や口コミを掲載することでユーザーからの信頼を獲得できます。また、定期的な情報更新は検索結果の上位表示に貢献します。ローカルSEOとして費用対効果が高く、取り組みやすい施策のひとつです。
不動産ポータルサイト
SUUMOやHOME’Sなどの不動産ポータルサイトは、高い集客力を持つプラットフォームです。ただし競合が多いため、写真の質やコメントを工夫しなければ差別化が図りにくい媒体でもあります。自社サイトとの使い分けや連携を意識すれば、両方の強みを活かした集客が可能です。
Web広告(リスティング広告やSNS広告)
Google広告やFacebook広告などのWeb広告は、短期間で成果を出したい場合に有効です。「賃貸 渋谷駅 1K」など、狙いたいキーワードに対して広告を出稿することで、ターゲットユーザーへ安定的に訴求できます。また、SNS広告は年齢や地域などの属性を細かく設定できるため、ターゲティング精度が高く、広告費の最適化に効果的です。
メルマガ・LINE公式アカウント
メルマガは、見込み顧客との継続的な関係構築に適しています。新着物件や住まいに関するお役立ち情報を定期的に配信することで、顧客との関係性を維持し店舗へ再来店を促す効果があります。LINE公式アカウントと併用すれば、開封率や即時反応も高まるでしょう。低コストで継続的にアプローチできる点が大きな強みです。
動画コンテンツの活用(YouTubeなど)
YouTubeやInstagramのリール機能などの動画コンテンツは、視覚的に物件や地域の魅力をアピールできるツールです。ルームツアーやスタッフ紹介など、記事では伝わりにくい情報を補完してくれます。遠方の顧客にも臨場感ある情報を届けられ、問い合わせ率アップに役立ちます。
不動産一括査定サイト
ただし、複数社と比較される場である以上、ただ掲載するだけでは成約にはつながりにくいのが実情です。
初動対応のスピードが重要であり、都心部では5分以内、地方都市でも10分以内の対応が基本です。また、単なる査定対応にとどまらず、信頼感を与えながら他社と差別化し、訪問査定へ自然に誘導するトーク設計が、成約率を大きく左右します。
オンライン手法を成功させるためのポイント
何も考えずに施策を実施しても成果にはつながりません。ここでは、オンライン手法を成功させるためのポイントを紹介します。
ポイント1:集客の土台となる自社ホームページを整備する
自社ホームページはオンライン集客の起点であり、受け皿の役目を担います。地域名や物件種別を含めたわかりやすいサイトに設計することが重要です。また、ユーザーが問い合わせしやすいと感じるようなフォームの最適化も大切です。信頼感と使いやすさを兼ね備えたサイト設計が、問い合わせや成約に結びつきます。
ポイント2:自然検索からの流入を増やすコンテンツを発信する
コンテンツマーケティングは検索流入を増やすだけでなく、企業の専門性や信頼性を高める効果があります。不動産取引の疑問に関する情報発信は、SEOの強化と見込み客の獲得につながります。長期的な運用で資産としても蓄積される手法です。
ポイント3:SNS運用を活用してスタッフの人柄や会社の雰囲気を伝える
SNS運用は、スタッフや会社の雰囲気を伝えられるツールです。InstagramやYouTubeを使えば、視覚的・感覚的にユーザーの関心を引きやすく、安心感を持ってもらいやすくなります。コメントやシェアでの拡散が期待でき、費用対効果の高い集客チャネルとして注目されています。
ポイント4:Googleビジネスプロフィールを利用して、地域名検索を強化する
Googleビジネスプロフィールは、ローカル検索において強力な武器になります。特に「地域名+不動産会社」などの検索時に上位表示されやすいのが魅力です。営業時間やアクセス情報をしっかり登録し、定期的な投稿を行うことで、地域密着型の店舗としての存在感を高めてくれます。
ポイント5:データを分析・改善して効果を最大化させる
オンライン施策は、実行後の振り返りと改善が大切です。Googleアナリティクスなどの分析ツールを使い、アクセス数・離脱率・問い合わせ件数などを計測しましょう。数値に基づいた改善は、無駄な費用を削減し、費用対効果を高めるのに役立ちます。
まとめ
不動産集客におけるオンライン施策は、ターゲットや即効性に応じて戦略的に使い分けることが求められます。
まずは、自社ホームページを整備し、信頼性のある情報発信を心掛けることが大切です。その上でSEOを意識したブログ記事やSNS運用、Googleビジネスプロフィールを活用して、ユーザーに見つけてもらう戦略を立てましょう。
さらに、Web広告やポータルサイトなど即効性の高い施策も組み合わせることで、短期・中長期の両軸で安定した集客が可能になります。オンライン施策は、実行後のデータ分析と改善を通して、費用対効果を高められるのがメリットです。
自社の強みや予算に合った方法から着実に実施して、最大限にオンライン手法を活用しましょう。