- 2025年06月09日
不動産集客でSEOに取り組むべき理由

代表取締役社長 兼 Webコンサルタント
中尾 優作
不動産の集客において、ポータルサイトへの掲載やリスティング広告は即効性がある手段として多くの企業が活用しています。しかし、これらの施策に頼ってしまうと、広告費が膨れ上がり安定的な反響獲得が見込めません。
今回は、不動産会社がSEOに取り組むべき理由について解説します。SEOは、広告に依存しない集客が可能になり、費用対効果の改善やブランディングの強化に貢献します。
中長期的な集客が見込める
SEOによって構築された自社ホームページは、一度上位表示されると、継続的に見込み客を集客する資産になります。また、広告とは異なり出稿を停止しても効果が持続するため、中長期的な集客基盤として活用できます。
さらに、コンテンツの定期的な更新や追加は、サイトの信頼性が高まりリピーターの獲得に繋がります。ユーザーが満足するコンテンツを提供することで、Googleに評価されやすく、上位表示される可能性が高くなります。
不動産業界は成約単価が高く意思決定までの期間が長いため、継続的な情報提供が重要であり、SEOはその手段として最適です。
広告の費用対効果の改善に繋がる
不動産業界では集客の方法として、不動産ポータルサイトとリスティング広告が主に利用されています。
それぞれの特徴は以下の通りです。
特徴 | 課題 | |
---|---|---|
不動産ポータルサイト (SUUMO、HOME’S、アットホーム) | ・不動産会社が出稿する物件情報を掲載し、ユーザーが希望の物件を閲覧、問い合わせできるポータルサイト ・費用は掲載料や反響課金での形式が一般的 | ・集客力は高いが、掲載順位がサイトのルールで決められ、掲載費用が高額です。 ・競合が多く、反響が安定しません。 |
リスティング広告 (Google広告、Yahoo! 広告) | ・ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、検索上位に表示される即効性がある施策 ・費用はクリック課金制 | ・出稿を停止してしまうと、流入が途切れるため、長期的な運用には高いコストが必要です。 |
両方の施策とも物件を探している顕在層には、認知を得るための効果的な施策です。しかし、これらの施策だけでは、広告費が増大してしまい集客の安定化が実現しません。また、不動産ポータルサイトは、複数の不動産会社で同じ物件を掲載するケースも多く、反響獲得が難しいケースもあります。
一方、SEOを強化した自社ホームページの構築は、検索順位で上位表示できれば、有料の広告に頼らなくても安定した反響獲得が可能です。自社ホームページは、不動産ポータルサイトのように物件掲載の形式が決まっておらず、写真の見せ方やデザインも自由に作成できるため、自社の強みとしても利用できます。
ブランディング効果が見込める
SEOは集客だけではなく、企業のブランディング強化にも有効な施策です。
検索結果で上位表示されるサイトは、企業の信頼性や専門性の証明となり、ユーザーに信頼されやすくなります。
特に、「エリア名+不動産」などのキーワードで上位表示された場合、ユーザーに特定の地域に強い不動産会社と認識されやすいでしょう。物件を検討しているユーザーは、検索キーワードにエリア名を入れることが多く、効果的な戦略です。
自社が得意なエリアに特化したコンテンツ発信は、地域密着型のブランドイメージが強化され、他社との差別化にも繋がります。
潜在層のリードを獲得できる
不動産業界においてSEOを実施することで、潜在的なリードが獲得しやすくなります。
今すぐに住宅を購入する予定はないが、将来に向けて情報収集している潜在層は多くいるはずです。潜在層は不動産に関する情報を求めており、検索結果で上位表示された不動産会社のホームページの情報を参考にします。つまり、SEOを強化している不動産会社には潜在層の見込み客が集まりやすいと言えます。
潜在層を顕在層へ育成させるには、将来を見越した地域の生活環境やライフスタイルに関するコンテンツが効果的です。以下のテーマに関するコンテンツを提供しましょう。
- 地域情報
- 商業施設
- 教育施設(保育園・小学校・中学校)
- 子育てのしやすさ
- 通勤時間
- 家賃相場
継続的に情報を発信することで、幅広い顧客層にリーチし、長期的な集客が実現できます。
具体的な検索ニーズを持つユーザーと接点が持てる
不動産業界では具体的な検索ニーズが膨大に存在するため、SEOの効果を感じやすいと言えます。物件を借りたい・購入したいと検討しているユーザーにとって、気になることや悩みはさまざまです。
例えば、新築の戸建て住宅の購入を検討している方にとって、予算や間取り、周辺環境など住まいに求める条件は異なります。具体的なキーワードで検索するユーザーほど、住まいに関しての強い興味や関心を持っています。
検索キーワード(検索クエリ)の中でも、検索ボリュームやユーザーニーズが高いキーワードで上位表示ができると集客の効果が大きくなります。このような購買意欲の高いユーザーとの接点は、反響率や契約率の向上に影響します。
まとめ
不動産会社がSEOに取り組むことは、今後の集客において必要不可欠です。
ポータルサイトに頼った集客では、掲載費用がかさむだけではなく、他社との差別化が打ち出しにくい課題があります。
一方、自社ホームページでのSEOは、初期投資が必要なものの、中長期的には広告費の削減や集客の安定化、ブランド価値の向上に役立つ資産性の高い施策です。特に、地域密着型や専門分野に強い不動産会社ほど、自社メディアでの情報発信は顧客との信頼関係の構築に役立ちます。
反響数を安定させたい、広告費の費用対効果を見直したいと考えている企業は、SEOへの取り組みを検討してみましょう。