- 2026年07月13日
不動産広告のルールとは?おとり広告を防ぐための注意点を解説
代表取締役社長 兼 Webコンサルタント
中尾 優作
不動産広告は宅地建物取引業法や景品表示法などの法律によって表示内容が厳しく制限されています。違反した内容を掲載するとおとり広告と判断され、行政指導や罰則の対象になることがあります。近年はWeb広告やSNS広告の活用が広がるなか、表示ルールを把握しないまま出稿してしまう事業者も少なくありません。
今回は、不動産広告における基本的な法律やおとり広告に該当するパターン、違反を防ぐための注意点を解説します。
▼不動産広告の集客力を高めたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【2026年最新】不動産集客におすすめな広告媒体8つを徹底比較
▼プロパティフォースが提供しているサービスはこちら
費用対効果を最大化する不動産業界専門の広告運用代行

不動産広告に関する主な法律
不動産広告には複数の法律が関係しており、それぞれ規制の目的が異なります。主な根拠となるのは宅地建物取引業法と景品表示法の二つです。以下で、両者の違いを解説します。
宅地建物取引業法
宅地建物取引業法は、誇大広告や虚偽表示を禁止し、消費者が不利益を被らないようにするための法律です。物件の所在地や面積、価格(仲介手数料)などの基本情報を正確に表示することが義務づけられており、違反した場合は、指示処分や業務停止命令を受ける可能性があります。広告を出稿する前に、表示内容が事実と一致しているか必ず確認しましょう。
参考:国土交通省
景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)
景品表示法は、「優良誤認表示」や「有利誤認表示」といった、消費者に誤った判断をさせる広告を規制する法律です。不動産業界では、景品表示法に基づき内閣総理大臣及び公正取引委員会の認定を受けた「不動産の表示に関する公正競争規約」が定められており、全国の不動産公正取引協議会がこの規約の運用を担っています。
表示規約では、広告に必須の表示項目や、徒歩分数の計算方法、写真の扱いなど、宅建業法より細かいルールが定められている点が特徴です。宅建業法と景品表示法を併せて理解することで、業界特有の規制にも対応しやすくなります。
参考:消費者庁・不動産公正取引協議会連合
おとり広告とみなされる3つの典型パターン
おとり広告とは、「実際には取引できない物件を広告に掲載し、集客の手段として利用する広告」を指します。
代表的な違反事例には共通するパターンがあり、知らないうちに該当してしまう事業者も少なくありません。以下で、3つのパターンを解説します。
パターン1.存在しない物件を掲載するケース
実在しない物件や架空の好条件をつけた物件を広告に掲載する行為は、典型的なおとり広告に該当します。
- 問い合わせ数を増やす目的で、相場より大幅に安い価格や好立地の物件を意図的に作り上げて掲載する
- 間取りや設備の一部を実際とは異なる内容で誇張し、現実には存在しない条件の物件として紹介してしまう
上記のようなケースも一つの典型例です。実際に問い合わせがあった際、希望の物件は成約済みだと案内し、別の物件をすすめる手口は典型的なおとり広告の手法です。こういった行為は、消費者からの信頼を大きく損なう原因になります。
パターン2.成約済み物件を掲載し続けるケース
契約の成立した物件をそのまま掲載し続ける行為も、おとり広告とみなされます。
複数の媒体に出稿している場合、それぞれの更新作業が発生するため、一部だけ削除が漏れて成約済みの物件がそのまま残ってしまうケースもあります。このように意図せずに掲載し続けてしまった場合も、おとり広告とみなされ行政指導の対象になるため注意が必要です。
▼なお、ポータルサイトへの広告依存自体にもリスクが伴います。詳しくは以下の記事をご覧ください。
不動産集客のポータル依存が危険な理由|費用・競争・リスクの構造を解説
パターン3.取引態様を偽って表示するケース
媒介と代理、売主としての取引態様を混同して広告に表示する行為も違反にあたります。
取引態様によって仲介手数料の有無や契約条件が異なるため、消費者は表示内容をもとに費用や手続きの見通しを立てるのが一般的です。たとえば、仲介業者として取引しているにもかかわらず「売主」と表示すると、消費者は仲介手数料が発生しないと誤解する可能性があります。
取引態様の誤表示は、費用負担の認識に直接影響するため、とくに注意が必要な項目です。物件ごとに正確な区分を確認したうえで表示する必要があり、思い込みによる誤表記にも注意しなければなりません。
不動産広告で守るべきルール
不動産広告には、大きく3つの観点から守るべき規制があります。
- 表示が義務づけられている項目
- 使用できない用語
- 写真に関するルール
それぞれ宅建業法や景品表示法、公正競争規約に基づいており、いずれか一つでも違反すると行政指導の対象になる可能性があります。
不動産広告で表示が義務づけられている項目
不動産広告には、宅建業法および不動産の表示に関する公正競争規約に基づき、必ず記載しなければならない項目が定められています。
省略や曖昧な表記は表示規約違反となる可能性があるため、出稿前に漏れがないか確認することが重要です。以下に、主な必須表示項目をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取引態様 | 売主・貸主・代理・媒介(仲介)の別を明記する |
| 所在地 | 市区町村・丁目・番地まで詳細に記載する |
| 交通の利便性 | 最寄り駅またはバス停の名称と徒歩所要時間を明示する徒歩分数は分速80mで算出し、端数は切り上げる |
| 価格・賃料 | 複数物件の場合は最低・最高価格と最多価格帯を表示する |
| 面積 | メートル法で表示する建物は延べ面積で記載する(坪数の併記は可) |
| 写真・絵図 | 取引対象外の写真は原則使用不可完成予想図はその旨を明示する |
| 設備・施設 | 水道は公営・私営・井戸の別、ガスは都市ガス・プロパンの別を明記する |
| 住宅ローン | 金融機関名、借入金の利率、返済例などを明示する |
不動産広告で使用できない禁止用語
不動産広告には、合理的な根拠なく使用できない「特定用語」が定められています。大げさな表現や根拠のない最上級表現は優良誤認を招くとして規制されていますが、うっかり使用してしまうケースも少なくありません。代表的な禁止用語の例は以下の通りです。
| カテゴリー | 禁止用語の例 |
|---|---|
| 完全性・万全性を示す表現 | 完全・完ぺき・絶対・万全 など |
| 競合優位性を示す表現 | 日本一・業界一・当社だけ・他に類を見ない・抜群 など |
| 選別・特別感を示す表現 | 特選・厳選 など |
| 最上級を示す表現 | 最高・最高級・極・特級 など |
| 著しく安いという印象を与える表現 | 格安・激安・破格・投売り・バーゲンセール など |
| 人気・売行きの良さを示す表現 | 完売 など |
これらの用語は、客観的な根拠を示せる場合に限り使用が認められます。根拠なく使用した場合は景品表示法違反とみなされる可能性があるため、広告文言のチェック時には特に注意が必要です。
不動産広告における写真加工のルール
物件写真は購買意欲を左右する重要な要素ですが、実際の状態と異なる加工を施すと、優良誤認表示として規制の対象になります。
日照条件を実際より良く見せる加工や、傷(汚れ)を過度に修正する行為は禁止されており、物件の実態を正しく伝えることが大前提です。また、家具や植栽をCGで合成した写真をあたかも実物のように掲載する行為も誤認表示にあたります。イメージ写真を使用する場合は、その旨を明記するなど消費者が誤解しない工夫が必要です。
不動産広告に違反した場合の罰則とリスク
不動産広告の規制に違反すると、監督官庁から指示処分や業務停止命令を受けることがあり、悪質なケースでは免許取消に至ることもあります。公正取引協議会への加入事業者であれば、協議会から是正指導や違約金が科される場合もあります。
行政処分にまで至らなくても、SNSや口コミで違反事例として拡散されれば、信用低下による営業面への打撃は避けられません。集客のために出稿した広告が、ブランドイメージを損なう原因になりかねないのです。
不動産広告のリスクは専門業者への依頼で防げる
本記事で解説した通り、不動産広告には宅建業法や景品表示法、公正競争規約に基づく細かなルールがあります。おとり広告や表示義務違反は事業の継続にも関わる深刻なリスクをはらんでいます。
表示項目の漏れや禁止用語の使用、写真加工の誤りなど、悪意がなくても違反に該当してしまうケースは少なくありません。こうしたリスクを軽減するには、法令と規約を熟知した専門業者に広告運用を依頼することが有効な手段の一つです。不動産広告のルール対応から集客戦略まで一貫してサポートしたい方は、プロパティフォースへお気軽にご相談ください。
▼プロパティフォースが提供しているサービスはこちら
費用対効果を最大化する不動産業界専門の広告運用代行
▼信頼できる広告代理店をお探しの方は、こちらの記事も参考にしてください。
【21選】不動産業界に特化したおすすめの広告代理店を紹介!

